占いを信じない人からすると「なんのこっちゃ?」って話でしょうが。

十二星座の占いで、獅子座はドラマチックな人生を送ると言われています。


気管支炎でM病院に入院 ➡ 退院 ➡ 快気祝いの飲み会ときて・・・

そのあとワタシは、とある人物と再会します。

デイケア初代看護婦のY島さんです。

彼女はM病院近くのファミマ、その隣りにある脳神経外科で働いていました。自宅もM病院の近くなんです。

昼休みだったでしょうか。そのY島さんとバッタリ会いました。

・・・とはいえ、その前にも何回か会ってはいます。デイの車で病棟の患者を、彼女が勤めている病院に送ったことがあったんです。

Y島さんはワタシが、訪問介護事業所の所長になったことを知っています。


「どぉ~? 元気~??」

・・・Y島さんはM病院にいたころより、随分と明るくなってました(笑)。

「うん。まー・・・でも、なんかうまくいかなくてね・・・。」

仕事のことではそれ以上、話しませんでした。いや、話しても意味無いし。自分が惨めになるだけですから。

替わりにワタシは、こう言いました。

「もう、頭がおかしくなりそうだ。Y島さんが働いてる病院で、診てもらえないだろうか?」

「え~!?」

ですよ。そしてそのあと、ワタシはY島さんに教えてもらいました。


・・・ワタシは病院に勤めてはいましたが、そういうのには疎かったんです。

『脳神経外科』というのは脳血管障害とか、そういう脳や脊髄・神経の病気を、外科的に治療する病院だったんですね。

『脳神経』なんて言葉がつくものですから。ワタシはてっきり・・・そのときの自分のように、頭がおかしくなりかけの人間がいくところだと思ってました。


「そういうのは、精神科か心療内科だろうけど・・・。」

Y島さんも、困った感じでした。

「大丈夫なの?」

「う~ん・・・。」

・・・久しぶりの再会も、笑顔で別れることは出来ませんでした。


そして。状況の変化です。

ワタシとねずみ男事務長の関係。

ブーカをデイで兼務させるとワタシが決めたことで、生まれてしまったふたりの軋轢。それはもう、この時点では解消されていました。

しかし・・・しかしです。

実はこのとき、新たな火種が発生していたのです。


ビジンダーさん。ワタシはねずみ男事務長のこと・・・そんなに悪く思っていませんでした。

それはいろんなことがありましたよ。

ビジンダーさんがM病院にくる前です。ねずみ男事務長とブタゴリラ婦長。あのふたりが嫌で辞めていった職員、大勢います。

夜勤のシフトが組めなくなるぐらいですからね。相当なもんですよ。

でも、それはそれです。

決して悪い人ではないんです。それはデイのスタッフの中で、誰より長く一緒に仕事してきたワタシが1番よく知っています。

そしてねずみ男事務長もですよ。そんなにワタシのこと・・・そんなに嫌ってはいなかったと思うんです。


だけどそれを、まわりがおかしくしてしまうんです。

ブーカの件も元はといえば、N本がしつこく言ったことが原因です。そして今度の件もまた、別の人間のせいなんです。


ひとつ言っておかなければならないことは、この件に関しては

デイケアは一切関係ありません。

そしてブーカも・・・遠因にはなるかもしれませんが、直接アイツが何かやらかしたワケではないのです。

ワタシはブーカが大嫌いだから、なんでもかんでもブーカのせいにしてやりたいのですが。

この『M病院物語』はビジンダーさん、あなたに真実を伝えるために書いているのです。ワタシはあなたに嘘は言いません。

この件、ブーカはほぼ・・・関係ないです。


そういう、ねずみ男事務長とギクシャクした関係のときに。やり辛さを感じている最中に。

またしてもワタシに『運命の輪』をまわす機会が訪れます。

・・・いや、今度はそんな大袈裟な話ではないです。ただ、ある選択を迫られることになります。


選択を迫られる立場ですから。

当然ワタシ自らが、積極的に行動を起こしたワケではありません。

とある人物に、話を持ち掛けられたのです。そしてそれは・・・悪い話ではありませんでした。