昨年の今ごろは・・・

僅かばかりであっても、あなたと関わりを持てていました。

そして、あなたに聞いてもらいたいこと。伝えられる位置にいました。

幸せの中にいたと思います。


・・・それでも葛藤があったんです。

あなたに『真実』を伝えたい。しかしそれを、どの範囲までに収めるべきか。

全てを赤裸々に書けば・・・それを読まされたあなたは嫌気がさし、途中で読むのを止めて去って行くかもしれない。

なによりあなたに、嫌な思いをさせたくない。

ならばいっそのこと・・・書かなければいいのではないか? ワタシ自身の胸に止めておけばよいのではないか?

・・・正直、迷いました。


だけどあなたは・・・ワタシが『真実』を語る前に。まさにその直前に。読むのを止め、どこかに消えてしまいましたね。


ワタシはよく『運命』という言葉を使いました。

様々な偶然が重なった、その結果が『運命』である、と。自分が『M病院物語』を書くことになるのも『運命』であった、と。

しかしそれも、やはりワタシだけの『運命』だったようです。あなたがそれを読む。それは『運命』には組み込まれてなかったようです。

いや、あなたが読まなくなること。あなたが去っていくこと。これこそが正しく『運命』だったのかもしれません。

なぜなら・・・あなたとの関わりが切れたことにより、ワタシはあなたに遠慮せず、ありのままの『真実』を書ける状況になったからです。

つまりワタシに用意されていたのは、何事も包み隠さない『真実』の『M病院物語』を最後まで執筆することだった、というワケです。