遡(さかのぼ)ること・・・どれくらいでしょうか。

ワタシはこの件の前に、院長先生から呼び出しを受けてます。


メタルギアというゲーム、ご存知でしょうか?

敵のアジトに潜入した主人公:スネークを、敵に見つからないよう隠れたりしながら先に進ませる。『ステルスゲーム』というジャンルらしいです。


当時のワタシはスネークでした。

院内にあるデイケア施設に出入りする際は、途中で院長先生に出くわさないよう、常に気を付けておりました。

なぜか?

それはビジンダーさん、あなたも知っていたと思います。この『M病院』の過去記事にも書いてあるはずです。

「もうデイケアにもリハビリにも行くな。たとえ仕事がなかったとしても、ここ(訪問介護の部屋)にいろ。」

訪問介護事業所が発足したとき、ワタシは院長先生からそのように命じられていたのです。

そしてそれは、そのときだけではありません。その後も数回、院長先生からそう告げられております。


なので呼び出しの内線が掛かってきたときは、本当に狼狽(うろた)えたというか・・・正直、動揺しました。

院長先生がデイケアに内線入れて。自分はそこにいたワケですから。

現場、抑えられてますから。

あとから聞いた話ですが、このとき院長先生、最初はの訪問介護事業所のほうに内線入れたそうです。

そして「そこにいなかったので」デイのほうに掛け直したらしいです。


ワタシは言われるまま、院長先生の待つ第三診察室へと向かいました。

そして。

恐る恐るノックをし。

恐る恐る扉を開けて。中へと入りました。


・・・院長先生

不機嫌でしたね~~~。

もう不愉快極まりないという顔してました。


「座りなさい。」

「・・・はい。」

ワタシは院長先生に対面するカタチで、診察を受ける外来患者用の丸イスに座りました。