しねしね談

無職のおっさんがなけなしの金を叩いてDVDを借り、夏休みでもないのに感想文を書いてしまいます。ジャンルは主に洋画と海外ドラマ、どちらも古いのが好きです。

2021/02

ウチの母はね、若いころはナントカ小町って呼ばれるほど評判の美人だったそうです。

・・・若いころの写真は火事で全部消失したそうで。真相はわかりません。
俺個人としては嘘だと思っている。でも言い寄ってくる男は大勢いたらしいです。

そんな母が彼氏に選んだのは大卒の山田さん。
母は厳しいというか酷い継母に育てられ、それこそ勉強どころではなかったらしいので。学のある人に憧れたんでしょうね。

クラシックが流れる喫茶店でよくふたりの時間を過ごしたそうです。

しかし母は山田さんとの結婚に踏み切れなかった。
というのも山田さんは高校時代野球部でキャッチャーをやっていたのですが、練習中に股間にボールを当て金玉を潰し、子供を作れない体になっていたのです。

そんな矢先、母に見合いの話が。そのころ山田さんとの間でちょっとしたことがあり、あてつけのような感じで見合いに出向いた母は、なんでか知らんその見合い相手(父)に一目惚れ。

「お父さん、顔だけはよかったもんね。」

「出来損ないのゴリラじゃねーか。眼科行け。」


結局、母は父と結婚。例の喫茶店で山田さんにその報告をしたとき、山田さん、人目を憚らずワァワァ声をあげて泣いたそうです。

それから随分経ったとある日。やっと建てた念願の店&マイホームの窓から外を見てた父が「おいおい、こっち来て見てみろ!!」と。

母が父のそばに行き、何気なく外をみると・・・道路挟んで向こう側に、ボロボロの服を着たいかにも ホームレス然とした山田さんが。

汚れた惨めな姿で、底の抜けかかった靴を引きずるように歩いていたそうです。

「あの人、俺たちと変わらんくらいの歳だろうに。あんなんなる人もおるんやな。」

それが母の、山田さんの姿を見た最後だったそうです。




「・・・少しは反省したの?」

「なにが?」

「いや俺が怒ることじゃないけど。反省したのかって? 男ひとりの人生台無しにしてしまって。」

「はぁ!? 女にフラれたくらいでダメになる男のほうが悪いっちゃろうもんっ!! 悔しかったらそこからがんばって、立派になって、見返さんね男なら!!」

「母さんにこっ酷く捨てられて、その気力すら無かったんだろうよ!! 親の因果が子に報いって言うやろが!! 母さんが山田さんにそんな酷いことしたから!! 母さんの息子ふたりは因縁引きずって結婚も出来んかったったい!!」

「あんたらは山田さんと違って、つくもんちゃんとついとろうが!!
それをなんね裏のMさんははよ結婚してもう孫が2人もおるとに!! あんたより若い近所の人もみんな結婚して子供連れて歩きよるとに!!

あんただけたい犬連れて歩きよるとは!! 

恥ずかしい・・・なんねあんたたち兄弟ふたりは!? せっかく男に生んでやったのに、女ひとり幸せにすることも出来んやったとね!!」


しゅーーーん  母さん言い過ぎ。





で、競艇場の帰り道に戻りますけど。


そうです。わたしが女ひとり幸せに出来なかったおじさんです。


でも世の中には便利なシステムがありまして。
自分が幸せに出来ない女性を他の誰かが幸せにするシステム。料金無料。あなたはただ東側1番奥の席でくたばっててください、みたいな。

だから今日はよかったんだよ。2度と会えないと思っていた女性に会えて、しかも幸せそうな姿見れたんだもん。

よかったよかった、で赤坂四つ角。

よかったよかった、で大手門。

よかったよかった、でアレ?

よかったよかった、なのに・・・


どうしてなの?



鼻水が~止まらな~い♪




『ガリレオ 真夏の方程式』の杏さん状態。泣くシーンでめっちゃ鼻水出てるでしょ。アレ。

いや俺は泣いてないですよ。泣くワケないじゃないですか『勝手に舟券勝負』で勝ったのに。


競艇で勝って人生で負けてるけどね。


ただ本当に夕日が眩しくて。あ~夕日が目に染みる。あれ? これは涙? わたし、泣いてるの?


だから泣いてないって!!


ただ鼻水が止まらなくて、涙が止めどなく流れてきて。ルル3錠飲めば治る・・・かも。


いや悔しいんじゃない。悔しいワケないじゃないですか、好きな人が幸せになってるのに。


ただただ・・・哀しい。もう哀しくて哀しくて。


みんなには楽しい時間が過ぎているのに、時が流れているのに。自分だけ取り残されて。嫌な思いばっかりして。なにこれ? やっぱり 山田さんの呪い!?


福岡に住んでるだけに、不幸か?!

じゃ福岡に住んでる人間
みんな不幸になるべきじゃないか!!

なんで俺ばっかり!?



・・・とか言ってる場合じゃないんですよ。

あの、福岡市に住んでる人間なら大概知ってると思うんですけど、城門?だっけ。あの辺。
平和台陸上競技場入り口ぐらいから護国神社に抜ける3車線の細い道路。

あそこ、そうでなくても苦手なんですよ。ちょっと下り坂になってるし、2回ほどグネって曲がるとこあるし。

そこを流れる涙、いや流れればいいよ。メガネの下のほうから溜まっていって、もう前が見えんくらいになってきて。それで走れっとことだから。

どうかしたいんだけどMT車だから両手塞がってるし、後ろから車来てる&進行方向1車線だから停車することも出来んし。


笑っちゃう涙の 止め方も知らない

40年も生きて きたのにね(四捨五入すると50)


いや笑ってる場合じゃないのよホントに。


生きて きたのにね


いや生きてただけです。明日死ねと言われたら死にます。

・・・なんとか事故らずに済みました。死にたい死にたい言いながら実際そーいう場面になると人間生きようとするもんなんですね。生きててもしょうがないんだけどね。

でもそこからまた家に帰る道のり。まだ泣いてましたけど。山田さんのこと考えていたんです。

というのも父と会えなくなってから母、しょっちゅう山田さんの話するもんだから。前日も見舞い行った病院で聞かされたから。

それで思ったんだけど・・・

「母さん、山田さんに見返してほしかったんじゃないかな。」

立派になって。もう自分なんか手の届かない存在になって。後悔させてほしかったんじゃないかなって。うん、うまく言えないけど。母はそれを望んでいたんじゃないかなって。


・・・でも俺は。彼女にそんな酷いことされてないし。そもそも見返すなんて間柄でもないし。見返そうにも40過ぎて無職だし。どうしろって言うんだよぅ。



ぴえーーーん 。゚(゚´Д`゚)゜。



親が入院しててよかった。競艇で大負けして、泣いて帰ってきたと思われるところだった。


玄関開けると犬2匹が待ってて「散歩まだ!?」って軽くキレ気味に吼えられたんだけど、俺の様子見て一変、「どしたの?」って顔を覗き込んできたから


「メリーちゃん、ジェシーちゃん・・・

ぴえーーーん 。゚(゚´Д`゚)゜。」



って抱きしめて泣こう思ったんだけど、2匹とも怖がって家の奥引き下がって。そこから寄り付きもしねぇ(怒)。




でもね。もし山田さんがこのブログ見てくれてるなら(いや見てる可能性限りなくゼロだけど)俺は言いたい。教えてあげたい。

『あなたを捨てた俺の母も、決して幸せではなかったよ。』

・・・あんたが生まれたことだけが幸せとか歯の浮くようなこと言ってくれるけど。でもその俺はこんなに不幸せ。なに、この不幸の連鎖? 


まーそれはいいとして。

母のこと、恨んでないでしょ? 母のほうには・・・いろいろ言っても今そんな話してるってことは、多少の負い目があるのかもしれんけど。


まあ・・・


そのうち死ぬから。


人ってあの世に行ったら、この世での一番いい時期だったころの姿に戻れるって話があってね。一番いい時期のふたりに戻って、あの世の喫茶店でいろんな話しなよ。

たとえば自慢の二男坊の話とか。

勉強もしないでエロ本ばっかり読んでるから、頭きて学校行ってる間に全部捨ててやろうと部屋中探して全部持ち出し、ゴミ袋に入れておいたところそのゴミ袋が行方不明。

で、忘れたころくらいに父の洋服箪笥を整理しよう開けたら、そのエロ本がびっしり。


親子でエロ本の回し読みか!?



・・・せっかくいい話になってきた流れ、自分でぶった切ってごめんなさい。

でも、あの世のエロ本・・・じゃなくて喫茶店とか、俺って結構いいこと書くねーなんて思ってたんだけど。よくよく考えてみたら


俺は女性と喫茶店行ったことない!!

そもそも喫茶店自体行ったことない!!



ぴえーーーん 。゚(゚´Д`゚)゜



数年前、母とイオン内にあるコメダ入ったことあるけど。あれはカウントされるんかいな。コーヒージェリーだって。なぜゼリーと言えないのか。



さて、長々と書いてきましたが。


まだだ!! まだ終わらんよ!!


もう『フライングなんとか』とか競艇とか関係なくなってきてるんで。次回はタイトル変えます。


次回

悪魔が来りてパチを打つ


モテないのコジらせて、ついに 悪魔になりまひた。


またしても『俺は強いよ v( ̄∇ ̄)v』的自慢話注意報発令みたいな話になりますが。ご了承ください。


追伸:母が最後に山田さんの姿を見た数年後。夜、隣り合って寝ていた父が母に言ったそうです。


「おかしいんだよな・・・。」


「最近なんだけど・・・変なんだよ。寝てるとき、俺とお前の間に誰かいるような・・・。」

さよならは別れの 言葉じゃなくて

再び会うまでの 遠い約束



でも俺・・・さよなら言えなかったから。

もう2度と会えないと思ってたのに。




なんだこの再会の仕方!?




那ノ津からウチに向かう道は、西日がとても眩しい。
その道をサングラスをかけ、音楽もかけずに車を走らせていたら・・・ひとつの言葉が頭に浮かんだんです。


には2通りの人間がいる

幸せな人と、そうでない人


上手いこと言うね、なんて自分ツッコミ入れながら苦笑い。信号で止まったときに、フゥ~っとため息をつきながら横を向いたら、見えたのは街の喧騒・人の流れ。

みんな、人それぞれ・・・人生があるんやな、なんて。





今日は来てよかった。

自分の人生は仕事を辞めたときで止まってるけど、いや彼女が辞めたときに既に止まっていたのかもしれない、しかし時間と月日は確実に進んでいたワケで。


やっぱり神様が会わせてくれたんだ、って。


お前がいつまでも想っている女性は、お前と関係ないところで普通に幸せになってるよ。よかったな。じゃー今後は心置きなく、今まで通りの不幸な人生を味わえ!!

ってことなんでしょ? 神様。うん、神に会ったら神を殺すね。


でもそれでよかった、って。幸せなところ見れてよかった、って。だってそうでしょ?

いや、いい人ぶってるワケじゃなくて。もし彼女が不幸だったとして、無職の俺が幸せに出来ますか?
たとえ無職でなかったとしても。安月給だし。

そもそも40歳過ぎて1回のデートもしたことない男ですよ。そんな男が女性を楽しませること出来ますか?



・・・いやでもこれは共感出来る人多いと思いますよ。40代でモテ期が来ても逆に困るでしょ?

それこそそれまで八百屋とかラーメン屋やってた人に、明日からⅠT企業の社長になれっていうのと一緒で。何をドーしたらいいのかサッパリわからない(八百屋さんやラーメン屋さんバカにしてるワケではないですよ。ただ事業規模とかやってることが全然違うって意味で)。

たとえばデートで、どんな服を着ていけばいいのか何処に行けばいいのか。

デートする場所には下見にいくべきなのか、ランチは予約しておくべきなのか(そもそも予約の仕方も知らん)。

もしカラオケ店にデート行った場合、女性ボーカルの唄を歌っていいのか、アニソンはどこまで許されるのか。どろろんえん魔くんからのレッドバロン後期OPという謎の流れはダメ? 空手バカ一代のEDは? やってたのは書道だけど。


あとねー・・・キスのタイミング? これはもうね、チャップマンの169キロストレート打つより難しい。

キューバとかアメリカの選手ってあまり足あげてタイミングとらないじゃないですか。それじゃ間に合わないって。
でも俺はむしろ最初から足あげとかないと無理。そこからダウンスウィングで、最短距離でバットを振り出して、って・・・


野球談議かって。

そもそも野球したこともないのに。



あとホテルに誘うタイミング、誘い方。これはもうね、もう恥を忍んで・・・

何回か訊いた。前の職場で何人かに。でも明確な答えは得られませんでした (ノд・。) グスン


あとー・・・これはデートとちょっと違うんですけど・・・コンドームを付けるタイミング? これは 望月さん に訊いた(実名だしてドーする)。

「最初っから付けとくんですか?」

「いや、う~ん・・・」

「抜けちゃうんじゃないですか?付けたままだったら途中で。」

「う~ん・・・ですねー・・・う~ん」

「じゃー直前で装着!!と?」

「う~ん・・・まー・・・う~ん」

「でも付けてる間、間が空いてシラけませんか?」

「あー・・・う~ん」

「(・・・はっきりしてほしいな)」


そこで誰だったかな? そこに女性の職員がいて

「あのさ、女性のいる前でそんな話する?!普通!!」

って怒られたような気がします。結局わからず仕舞いでした(TДT)


そーいえばまだ10代前半のときに読んだエロ本、その中記事に『彼女の体に初めて触わる方法』ってのが載ってて、そのお尻編が

『彼女と一緒に歩いているとき、彼女がなにか冗談を言ったら「もう、何言ってんだよ~(笑)」と言ってお尻をポンッと軽く叩きましょう』

『※注 そのとき揉んではいけません』


って当たり前だバーカ!!








なんの話してたんだっけ!?



あー、車の中で大号泣、当時MT車に乗ってたんで涙拭うことも出来ず。涙と鼻水が全部股間のところに落ちて、車から降りたらオシッコ漏らして泣いてるオッサンみたいだった話か。

ちょっと長くなったんで仕切り直し。実はまだまだ続きます。もう競艇関係なくなってますが、その日の後日談がこの話の最終回。果たして俺は幸せを掴むことが出来るのでしょうか?

涙など見せない 無職のあなたを 

そんなに哀しませた 場所はボートレース場


でもそんなことで

負けちゃいけないんだ!!



だったら競艇で勝てばいい!! ってなワケで始めた自己満足的企画 


『勝手に舟券勝負』。



・・・え? そんなの虚しくないですか?って?




虚しいですっ!!


だけど、じゃードーすればいいっていうんですか? 東1番奥の野外席で死ぬことも許されず、ただレースだけ見てろっ・・・てんならまだいいですよ。


左をご覧下さい。あなたの好きな女性が彼氏とデートしてますよでございます。

あら、舟券的中したみたいでございます。喜びを分かち合ってますね。あなた喜びを分かち合える人いますか? そんな経験ありますか?


・・・
・・・
・・・。



こんちくしょー!!(´;ω;`)





いや俺もいろんな映画観てきたけど。こんな惨めなシーン見たことないわ。

あ・・・映画じゃないけど小説の『家畜人ヤプー』でこんなシチュエーションの一節があったような気がする。読んだことないけど。


うん、だからね。やらなきゃ意味ないよ、と。たとえ虚しい自己満足でも、なんの意味のないことでも

やらなきゃ意味ないよ。


あーでもね。

こーいうときの俺は強いよ。←まだ言ってる

キレてからだから俺の競艇は。俺はもう、そこからだから。




ま、そーいうワケで始まりました。

ただ競艇場に来ただけなのに知らないところで勝手に勝負相手にさせられているカップル VS 
世を恨み自らの運命を呪う、ふられ気分でろっ骨痛い競艇人間デブの舟券勝負。

カップルさんたちの結果はその楽しそうな会話が聞こえてきますから。聞きたくなくても聞こえてきますから。聞きたくないけどそれで判定。

賭け金まではわからないけど・・・まーそーいうのはいいや。俺が的中させて向こうがハズしたら俺の勝ち、逆だったら向こうの勝ち。


で、残り数レースから始めたんですけど・・・ここで最初から予想できた事態が。




正直あんまし面白くない。




いや基本、競艇っていうのは1が強くて、レース自体もアッサリ終わって低配当ってのが多いじゃないですか。

スカパーのレジャチャンでやってるブラマヨ吉田さんとういちさんの対決が面白いのは、賭け金が大きいからなのだと思います。あとトーク。俺がカップルさんたちと話すワケにはいきませんからね。

・・・カップルさんたちのトークは楽しそうだけど。楽しそうだけどー!!(≧ヘ≦) 


とにかくそんなんで、ちょろちょろと低配当レース、1回大穴があってどちらもはずれ。そして迎えた最終レース。

『勝手に舟券勝負』思いついたときの気持ちの盛り上がりはどこへやら。ワケのわからん勝負挑んで、その結果ふたりの近くとまでいえなくとも見える場所にいて、楽しそうな会話聞かされて。

・・・立ってましたよ。かろうじて立ってました。でも座れと言われたら・・・腰からヘナヘナいってただろうね。

瞬間湯沸かし器でお湯出したとき、途中でぬるくなったり冷たくなるときあるじゃないですか。今そんな状態。


まーいいや。最後のレース勝ったほうが勝ちとしよう。そしてこのレースが終わったら・・・




競艇辞めよう。




・・・何もそこまでと思われるかもしれませんが、もうリミッター超えた。辞める。辞めてやる。だから最後に大きな配当を・・・狙えるレースではない。

終わってみたら案の定、平凡な配当。まー簡単なレースでしたから。そりゃ当てますよ。どうせ向こうも当たってるんでしょ。もうどーでもいいや。



でも、彼女が辞めた日・・・行ったらもう先に帰ってて。あのとき言えなかった『さよなら』とか『幸せになってください』とか。
今日ひとことだけでも言いたかったなぁ思いながら、ちょっとウルッとしながらその場を去ろうとしたところ、遠くから彼女の声が。


よく覚えてないけど、ハズしたとかダメだったとか。そんな言葉。




なーにー!?


やっちまったなー!!



・・・勝った。



俺の勝ちだぁーーー!!





でもこれなんか意味ある?


まーでも勝ちは勝ちだから。振り返って、まだレース場のほうをみている彼女の背中に


「俺は当てたぜ。」


と捨てゼリフ。あとは夕日に向かって去っていく俺かっこいいみたいな。



『勝手に舟券勝負』には勝った でもジローの心は虚しい

光明寺博士はどこか 幸せを掴むのはいつの日か

ジローは行く 果てしない闘いの道を       つづく


いや続くんですまだまだ。ボートレース場からは離れますけど『ボートレース場での忘れられない1日』。

先に言っときますけど次回、帰りの車の中で泣きます。それでは次回もお楽しみに。

たび重なる不運に失意のどん底、自殺しようと向かった川で天使に出会う・・・のは往年の名作『素晴らしき哉人生』ですが。

競艇しようと向かったボートレース福岡で、わたくしの前に現れたのは・・・


もう一生会えないと思っていた憧れの女性。



ときめきの 導火線が

那の津中を 走ってる♪ 

あばらバラバラに ならないよに

コルセットしなくちゃわたし♪ ニャーオ



もう会えなくなって何年経っただろう。全然変わってない。

・・・神様っているんだね。

きっと神様が俺のこと見ていてくれて

「お前も大変やったな。ほら、その女性と話でもして。英気を養って。また明日から人生やり直せ。」

・・・それで引き合わせてくれたんだね。


そう思うと、今まで辛かったこと・苦しかったこと全てが脳裏をよぎって、でもそれが全部、空に飛んでいってしまったような。天に放たれたような。

全てが解き放たれた今の自分の心は嬉しさでいっぱい。今すぐ彼女のそばに行きたい!!


たたずむあなたのそばに 走っていこうとするけれど

もつれて もつれて もつれて もつれて もつれて


いやホント足が震えて上手く歩けませんでした。でもなんとか足を運ばせ、やっとの思いで彼女のそばに・・・

いくと・・・

今まで彼女と他の客の影になって見えてなかったんですね。



彼女の隣りには彼氏さんが・・・。



ムーンウオークで後退り。あのときのムーンウォークはマイケル超えてた。

その自分目掛けて、天に放ったはずの辛かった思い出がロンギヌスの槍となり落下、見事ポンコツ心臓を貫通。しかしその辛い思い出の数々を遙かに凌駕するほどの辛い現実が目の前にあるワケで。

・・・ウサギだったらストレスで死んでたんだけどね。人間って強いね。




ボートレース福岡、東側1番奥の野外席。1マークのターンが少し見難い席。そこに1時間ほど座っていたのかな。

レースは・・・やってたんでしょうね。よくわからん。もう何も入って来ない。何も感じない。ろっ骨折れているのも忘れるほど。絶望という名の全身麻酔。



競艇で最低最悪に負けたときって一体いくらだったろう?

競艇は自分で賭け金コントロール出来るから、自分は大勝負に出ないタイプだから。そんなに高額負けたことはないはず。

パチンコはラポールに夜から行って8万負けたのが最高額かな。
その話を友人にしたら

「夜だけでそんなに負けるワケない!! 俺がその店行って確かめてくる!!」

その数日後にラポール行ったらしく。帰り泣きそうになったとか。


でも。今までどんなに負けても、こんな状態になることはなかった。いや負けてこんなになってるワケじゃないから実際。

なんかもういろいろ打ちひしがれて、最後にとどめ刺されたような。仮面ライダーの怪人だったら爆発して死んでただろうね。俺も爆発すればいいのに。


俺、完全に沈黙しました。予備も動きません。・・・予備って何?



その生きる屍状態の俺を覚醒させたのは、遠くから聞こえる彼女と彼氏さんの声。凄く楽しそう。



あきらめる前に 試合終了だよ



いやだから終了させてくれって。頼むから終らせてくれ。これ以上はもう無理。

もういい。もうウンザリ。人生ウンザリ。

もうこんなとこいたくない。もうどっか行きたい。

でも


立てない!! 立つ気力もない!!


人体の不思議スペシャルやね。ホントに立てなかった。



・・・俺に残された選択肢は2つ

このままここで海に飛び込んで死ぬか。

家に帰ってキンチョール飲んで死ぬか。

だけど動けないんだからドーしようもない。このまま2人のデートをライブで見続けるしかない。これ一体何て刑罰? 江戸時代の拷問?



しかしここでね。ふと、母の言葉を思い出したんです。

「悪いことが続くときは博打で勝てる。」

そして気付いたんです。

「あれ・・・俺、負けてないじゃん。」


いやそーいう問題じゃないだろって思われるでしょうけど、じゃー俺ここに何しにきたの?って話じゃないですか。

競艇でしょ。勝負だよ勝負。



・・・勝負してやるよ。

この2人と勝負してやる。


競艇で勝負してやる!!



・・・ってなワケで。

このカップルさんと『勝手に舟券勝負』開催でございます!!


皆さんご存知でしょうけど。公営ギャンブルってのは胴元がテラ銭取って、あとは客同士の金のやり取り。つまり単純に考えれば・・・カップルさんがハズして俺が的中させたら

「デート楽しかったでしょう? はい、あなたたちが負けた分わたくしがいただきます。」

となる。あなたは遊びのつもりでも、お金はわたしがいただきます、みたいな。


悪いけど俺は強いよ。

ビックリするほどの安月給でも家にはちゃんと金を入れ・・・させられ、それに加え月イチの通院&薬代。毎日の昼食代。そしてタバコ代。

おまけに母が勝手に定期貯金・保険なんかに加入させるもんだから(おかげで今助かってますけど)手元に残るのは雀の涙。

そんな俺に残された最後の砦がパチンコと競艇だったワケで。

ええ、欲しいものは全てパチンコと競艇で手に入れました。買い換えてきたパソコン4台、デジカメ2台、テレビ、ゲーム、メガネに腕時計。

車擦って修理見積8万円言われたときはその車でパチンコ行って花満開で10万Get。車検前日の打越晶優勝レースのときも10万だったかな。

そんな俺が、レジャーか炊飯ジャーか知らんけど。遊び感覚で来ている客に負けるワケがない。

いや・・・

負けちゃいけないんだ!!



まだまだ続きます。次回EP4お楽しみに。

人はどうして哀しくなると 海を見つめに来るのでしょうか

答:競艇をするためです。

というワケで前回、大マジメに長々と書き過ぎましたが。今回はその続き。
果たして本来のテーマである『ボートレースの忘れられない1日』までたどり着くことが出来るでしょうか?



実は退職する1ヶ月くらい前に父の入院が決まりまして。それなら仕事辞めなくてよかったんじゃないか?と思われるかもしれませんが、さにあらず。

父の入っている病院と母の病院は家から真逆の方向にあり、また程なくして父が失禁するようになって週2~3で洗濯物を取りに行かなければならない(尿臭の染みついた衣類洗うのが大変!!)。

母は母で骨董壊死を起こし再手術、成功しても階段昇降は無理だろうということで。1階の店を住居に改築しなければならなくなり、そのための片付けとか。

あと2匹いる犬の1匹がボケてしまい、まーボケた犬がやることといえば大概汚いことですが、カレーを食べながら読んでいる人のためにその話は割愛。
もう1匹のほうは病弱でしょっちゅう病院に連れて行かなければならない。

・・・考えてみれば犬の世話はそれまで主に父がやっていたワケで。それも全部自分にまわってくるんですから。やることはいっぱいでしたね。



そんな折、いろいろとまたストレスが溜まることがあり、結果心臓病が悪化。風呂上りに気を失ってぶっ倒れ、ろっ骨を折ってしまいました。


・・・もうね。ここまでくるとね。完全に戦意喪失ですよ。レフェリーがいたら止めてますよ。

でも人生は終わらない。

だけどよっぽど憔悴してたんでしょう。見舞いにいった際、母が通帳を手渡し

「今月の年金を下ろしなさい。そしてその金で・・・競艇に行ってきなさい!!」

だって (゚o゚) 親の金で遊んで気分転換しろってことですか。いい母親じゃないですか  (´▽`)

「そういう悪いことが続くときは案外、博打で勝てるもんなんよ。で、勝ったお金で服を買いなさい。」

・・・は? (゚∇゚ ;)エッ!?

「あんたいっつもルンペンみたいな格好して見舞い来て。私、恥ずかしかとよ!!」

・・・そうでしたか。失礼しました ( ̄0 ̄;)



そんなワケで、まーその日はもう遅かったし体も痛いしで、真っ直ぐ帰って翌日行くことにしたんですけど・・・正直、自信は無かったんです。

というのもわたくし、その時点で競艇かれこれ何百回も行った経験の持ち主だったんですけど、仕事辞めてからはあんまり行っていなかったんです。

朝から競艇とかパチンコって、いかにも無職みたいで嫌じゃないですか。

そしてこれは自分の悪いスペックなんですけど、やらなかったら出来なくなる。極端にいえば自転車、しばらく乗らなかったから乗れなくなるみたいな。いやもちろん自転車は乗れますよ。例えばの話。

ただギャンブルとなるとやはり感が重要になってきますから。感がかなり鈍っているんじゃないかって思いまして。

ってゆーか自分、感云々じゃなく舟券の買い方忘れるタイプだった。あと久しぶりに行った場所、入口とかわからなくなるタイプ。

そんなんですから、勝った金で服買うどころか負けて身ぐるみ剥がされる可能性のほうが高かったんですけど。
まー気晴らし程度にテキトーにやろうぐらいの感じでね。軽い気持ちで翌日行ってみたんです。


boatrace1



久しぶりの競艇場は・・・そんなに感慨深くもなかったです。ってゆーかろっ骨が痛くて。

でも、感は鈍っていなかった。鈍るどころかむしろ久しぶりというのが幸いし、新鮮な感覚で見れるというか。もう展示見ただけでだいたいわかってしまうぐらいの神好調。

・・・しかしですよ。いざ舟券を買おうとすると母が電話をかけてくる。何度も何度も。最悪のタイミングで。

「あのね、母さん。俺が今、競艇場にいることは知ってるよね?」

「うん、だから手が空いてるやろから電話しよるとたい。」

「いや、すんなって。」

結構いい配当のレース、ふたつくらい買えなかった。買ったら当ってたのに。


で、一旦中止。ボートレース福岡は無料でお茶飲めるけど、ちょっとコーヒーでも買って。外の席に座って、ゆっくり遠目に見える海を眺めてたんです。

海はいいな。海には男のロマンがある。

ロマンよりマロンのほうが好きだけど。そいえば日活ロマンポルノなんてのもありましたね。

な~んてくだらないこと思いつくままぼんやり考えてたりして。まったりして午後のひとときをすごしていました。

そのうちコーヒーも飲み終わり、そろそろまた再開しようかなっと立ち上がって何気なく横を向いたところ・・・


少し離れたところに、昔好きだった女性が!!

いや正確にいえば現在進行形の、昔から好きだっている女性ですかね。


彼女は辞めた職場で一緒に働いていた人。といっても自分が辞める随分前に退職しています。

もう2度と会えないと思っていた人。最後に好きになった人です。


・・・なんで2度と会えない人をいつまでも思ってんねん!! 競艇と一緒!! ハズしたら次のレース!! 次、次っ!!

と思われる方も多いでしょう。しかしこれは、わかる人にはわかると思います。

というのもわたくし、その時点で結構な中年なんですね。で、恋愛にはもうあきらめが入っていたんです。

もちろん50になっても60になっても新しい恋する人もいますよ。でもそーいう人の多くは若いころからの恋愛が上手くいってた人・幸せな気持ちを味わってきた人。
逆にうまくいかなかった人・辛い思いをしてきた人は、ある程度の歳になると心が折れてしまうんです。

肌寒い木枯らしが吹く中

「俺、女性と縁がなかったな・・・。」

うつむいて少し寂しい笑みを浮かべたら、そこで終わりです。


でも、そんなモテない君たちにも誰かひとり忘れられない女性というのがいるもんなんですね。それがわたくしの場合、最後に好きになった彼女だった。


俺にはお前が最後の女ー♪(付き合ってないけど)

俺にはお前が最後の女ー♪(付き合ってもないのにお前言うな)


・・・しかしこれが残酷なのは、いわゆる次がもう無いもんだから。学生時代の淡い片思いとかとは違って、思い出に変わらない状態でいつまでも引きずってしまうんです。

たとえもう会えないとわかっていても、忘れようと思っても、夜、夢に出てきたりする。で、目を覚ますとまだ深夜2時か3時。真っ暗な部屋。どこまでも続く静寂。・・・このさみしさたるや。

眠れない夜と 雨の日には

忘れかけてた 愛が蘇らないで下さい!!


・・・しかし今、その大好きだった女性がそこにいる。夢にまで見た彼女が。いや俺の彼女じゃないけど。


というワケで次回は『フライング 飛翔 EP3』。

さあ『ボートレースの忘れられない1日』の始まりです!!

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