しねしね談

無職のおっさんがなけなしの金を叩いてDVDを借り、夏休みでもないのに感想文を書いてしまいます。ジャンルは主に洋画と海外ドラマ、どちらも古いのが好きです。

2021/03

見た目ヤクザさんは、見た目がヤクザで寡黙な人です。


だからよけい怖いんですけど。


でも女性職員たちからは人気がありました。


とある日のこと。なぜかリハ助手2人で、例の男子更衣室でタバコを吸ってました。するとそこにひとりの看護婦さんが入ってきました。

「あ、いた~~~

みたいな感じ。手にはプラスチックの容器を持ってました。中身はカレーのようです。

「昨日カレー作ったんだけど、作り過ぎちゃって。見た目ヤクザくん、もらってくれない?」

「あ、あぁ・・・。」

「電子レンジで温めてね

「あぁ・・・。」

「・・・

「ん?」

「うふっ 今日はカレーだね!!




このふたり付き合ってないのよ!!


付き合ってもいない女性の作ったカレー食べる機会とかあります!?

ってゆーか自分そもそも 付き合ったことないから。

母親が作ったカレーしか
食ったことないわ!(バーモンド甘口)



爽やかイケ面:T田さんの場合。

「〇〇ちゃん、今週の土曜スノボ行かん?」

「え~、2人で~?」

「うん。・・・いや別に他の人連れてきてもいいけど。」

「う~ん・・・


イクっ!!




このふたり付き合ってないのよ!!


お互い別に彼氏彼女いるのよ!! それでイクっ!! って。イクのかホントに。


・・・ワタシも女の子とスノボ行きたいよ。


自分がスノボでいいから。


ワタシがうつ伏せになって、女の子がピンヒールでその上に立って。ギリギリ踏み付けながらドーゾお滑りください。それがワタシにとって最高のご褒美です!! ← なに言ってるんだろコノ人


まー人のモテエピソードや、他に仲良しエピソードはまだ沢山あるんですがその辺にして。

この病院の現状を、冷めた目で見ていた男がいました。ねずみ男事務長です。

「グッチくん、オレと一緒の日に入ったんだよね?」

「そう・・・ですね。」

「なんか締まりがないと思わない?」

「え? ワタシのお腹ですか?」

「違うよ。この病院だよ、病院!!」

彼は当時の病院の雰囲気を、ユルくてだらしがないものと捉えていたようです。そして・・・外来主任のマリア・テレジアさんが院内を仕切っていたのも我慢ならなかったようでした。

事務長はすぐに行動を起こします。まず手始めに豚ゴリラ婦長と、後にフリンマンの妻となる看護婦の南木さん(仮名)を病院に引き入れました。

そして自らの功績も上げようとします。

そのころのM病院は、ただの外科ではなく救急外来もやっていました。空きベッドを埋める貴重な収入源です。

彼はなるべく多くの救急患者を連れてきてもらおうと、みんなの憩いの場である1階男子更衣室を救急車の運転手や救命士たちの休憩所に変えてしまいました。

みんなが使っていた冷蔵庫には、病院のお金で買ったコーヒーやお茶がビッシリ詰められ、冷蔵庫の扉には『救急車の方々、ご自由に飲んでください』と貼り紙がしてありました。

といっても男子更衣室。当然、男子職員は出入りします。

ある日、なんかの用事で部屋に入ると・・・フリンマンがソファーに座ってタバコを吸いながら、あきらかに冷蔵庫の中から出したコーヒーを飲んでました。

「・・・いいんですか?」

「いいよいいよ。〇〇〇くんも1本どう?」

フリンマンは冷蔵庫を開けると、なんの躊躇いもなくコーヒーを取り出しました。

「はい、これ。俺のおごり。」

「いやでも、それは・・・。」

「あ、開けちゃった。飲まないといけないよコレは。」

「はぁ・・・。」


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フリンマンさん、あのときのコーヒー美味しゅうございました。

ごちそう様でした。

それなのに・・・ごめんなさい。

あなたが依願退職に追い込まれる、その遠因を作ってしまって。

ワタシの勝手な思い込み、いや思い上がりかもしれません。

ワタシが何をしなくても2人は一緒になっていたでしょうね。

でもそんなことはどうでもいい。あのときワタシは、ああするしかなかった。

そして。

あなたの辞める数日前に・・・もうあのころとは違う、変わり果てた男子更衣室で。

ワタシとあなたと。ws主任と。3人になりましたね。


・・・そんなことはどーでもいいか。


でも。謝る気はあっても、後悔はしていません。

ワタシはバカでした。随分あとになってこのことに気付くとは。

でもあなたはそのことに一生気付くことはないのです。

ワタシは『おせっかいな復讐代理人』だったんですね。

運命の神のイタズラに苦笑いしかありません。

いや『復讐スルハ我ニアリ』の言葉からすると

ワタシが神なのかも。

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結局そんなことで入院患者が増えるワケもなく、みんなの憩いの場を潰してしまって顰蹙を買っただけでした。

すると今度は比較的近くにある『H病院』に提携話を持ち込みます。見事に断られました。

そして。行き詰った事務長の次の一手が『デイケアの新設』でした。これには院長も興味を示しました。



KIMG0603

薔薇を植えようと思います。

ワタシとねずみ男事務長は同期入社です。

院長の面接も同じ日に受けました。

その翌年か翌々年が2000年問題で、元日の日にリハビリ機器やパソコンを診に行ったので。確か1998年か1999年だったと思います。

ワタシの最初の仕事はリハ助手でした。


当時の病院の中心人物は、外来主任のマリア・テレジアさんです。

一部署の主任が病院全体を取り仕切っているとなると、少しいびつな感もしますが。彼女は慕われていました。そして彼女を慕う病院職員も皆いい人たちでした。

当時は部署の垣根などなく、みんな仲が良かったんです。その状況を作り出す要因となったのが4階の食堂と1階の男子更衣室兼タバコも吸える休憩所。

ワタシが入ったころはほぼ全員、食事は4階食堂で摂っていました。

リハビリ・外来・受付・病棟。どの部署も交代制で昼休みをとるので、食堂には当然、違う部署の職員ばかり集まります。その人たちがお喋りしながら一緒に昼ご飯を食べるのです。楽しい交流の場でした。

そして男子更衣室。裏口から入ってトイレの前を通った、突き当りにある部屋です。デイの施設が立つ前は、その部屋の後ろ隣に女子更衣室はありませんでした。

まだ男子職員が少ない時代。ロッカーの数も少ないのです。広く使えたその部屋にはLの字に大型ソファーが置かれ、小さな冷蔵庫、本棚までありました。

本棚にはE島先生が寄贈した『バビル二世』全巻が陳列されていました。なぜにE島先生が『バビル二世』全巻持っていたのか。謎です。

4階で食事を終えた職員、特にタバコを吸う人はこの部屋に来て談笑したり、マンガを読んだり。寝たい人は寝たり。自由な時間を過ごしていました。本当に楽しい日々でした。


ワタシが後に一緒に働く、『最初の被害者』デイケア看護婦第一号のY島さんと初めて会ったのもこの部屋です。

そのときは確かリハの仕事が暇で、勤務時間中でしたがタバコを吸いにきていたときだと思います。Y島さんも時間が空いたのか、コーヒーを飲みにきたのです。

2人っきりになるのが気まずくて、すぐに部屋を出ようとしました。そんなワタシにY島さんは気さくに話かけてくれました。

当時はまだ介護福祉士が少なかった時代です。実際、病院にはワタシひとりしかいませんでした。物珍しさもあったのでしょう。いろいろ話をしました。同い年なのもこのとき知りました。彼女の最初の印象は『暖かい人だな』でした。


そのY島さんを含め、看護婦さんや事務の人たち・リハスタッフ。みんないい人ばかりでしたが、特筆すべきは男性職員。もう・・・いい男ばっかりです。

フリンマンだって不倫さえしなければいい男だし(いや、いい男だから不倫出来るのか(≧ヘ≦) )、事務のH川さんだって落ち着いた感じの癒し系男子です。

そのフリンマンはやや年上、H川さんは既に結婚していたので除くとして。他の男子職員もイケ面揃いでした。


ワタシのリハ助手師匠。坊主頭でひげ面のワイルド系:見た目やくざさん。

スポーツマンタイプで爽やか系ハンサムの看護師:T田さん。

少し影がある、物静かで落ち着いた感じのイケ面看護師:Tさん。


・・・学園ドラマなら、3人とも主人公クラスのいい男ばかり。そこにワタシが加わって4人だから。


どんだけバランス悪いフラワー4だよっ!!


roseblog



次回はいかに彼らがモテモテだったかエピソードと、事務長の野望を書きます。

悲劇の始まりです。

嫌な話ばかりで申し訳ないです。

桜でも見て和んでいただければ幸いです。


sakura


桜ぐらい今どこででも見れますね。失礼しました。

さて『リハ室での会話その3』ですが。何度も申し上げますが、もう10年、いやそれ以上昔の話ですから。大丈夫ですよね? 
ワタシはどっかで時が止まってるので、まだいろいろと考えてしまいますが・・・。

で、今回。あのやさしかったws主任が・・・とんでもないことを口走ります。



『デイケアに行くのをやめなさい』と言われても、ワタシはそれに従う必要はありません。

ワタシはws主任の部下ではありませんし、ましてこのときは訪問介護事業所の所長です。
福岡なので西鉄に例えると、ws主任は西鉄バスの部長で、ワタシは西鉄ストアの社長みたいなもんです。


よけーわかりにくいかこの例え!!


しかしやはり事情を聞きたいと思いました。あのとき、あんなにやさしくデイで仕事を続けることを勧めた主任が、今は全く真逆のことを言っているのです。何か理由があると思いました。

「院長に、そう言えと言われたんですか?」

「いいえ。」

「じゃあ事務長に?」

「いいえ。」

「・・・。」

「とにかく行くのをやめなさいと言ってるの。」

取り付く島もありません。なので今度は自分たちの状況を説明することにしました。

デイケアの職員数は足りてるくらいに思われてるかもしれないが、今でもギリギリだし、ましてワタシとブーカは訪問介護の人間なのだ。訪問の仕事が入れば抜けなければならない、と。

今でもワタシかブーカが(特に午前中に)訪問で抜けたら厳しい状況なのに、その上誰かが病欠でもしたら大変なことになる、それなのに自分がデイから離れるなどありえない、と。


・・・別に今でもビジンダーさんに気に入ってもらいたくて、嘘を書いてるワケでも大袈裟に書いてるワケでもありませんよ。このとき本当に言いました。


本・当・に・言・い・ま・し・た。


しかしws主任には通じません。

「それ、あなたに関係ないことでしょう?」

あきれたような表情をされました。

「デイに新しい職員が何人か入って、その職員が長く続きそうなら、自分たちは喜んで出て行きます!! でもそれまでは無理です!!」

ws主任、無言。

・・・別にここで何を言われようと、無視してデイで働けばいいだけの話です。でもws主任の態度にだんだん腹が立ってきて。なんか必死になってしまいました。

「もしワタシがデイに行くのをやめたら!! みんな潰れてしまう!! みんな辞めてしまうかもしれませんよ!! それでもいいんですか!?」

ワタシとしては『切り札』を出したつもりでした。これでぐうの音も出ないだろうと思いました。


しかし。


それは浅はかな考えでした。もしかしたら主任は、ワタシがこの『切り札』を出すのを待っていたのかもしれません。

・・・無茶苦茶な話です。でも事実ですから。




「それが目的なのよ、〇〇〇くん。」


「えっ・・・?」


「出来ない人たちにやらせるよりも

出来ない人たち全員に辞めてもらって

新たに出来る人たちを雇って

その人たちにやってもらったほうがいいでしょう?」



信じられない・・・。驚きました。本当に。

でもワタシが驚いたのは、その言葉ではないのです。ws主任がその言葉を口にしたからです。

実はこの言葉・・・『出来ない人たちに辞めてもらって~』。ワタシは過去にこの言葉を何度も何度も聞いてます。えぇ。リハビリ室で。

Tバックエンジェルさんではないです。Tバックを履いているうら若き乙女が、そんなこと言うワケないです。



まーそれはいいとして。これで完全に会話の余地はなくなりました。

フリンマンはリハビリ待ちの患者が座る用のイスに座ってましたが、他のスタッフはws主任の後ろに立ち、ワタシと対峙しています。

最後にワタシは聞きました。

「それは、ws主任のお考えなのですか?」

そのあと答えたのが、ws主任だったのかS原さんだったのか。それははっきり憶えていません。でも、なんと言われたかは憶えています。


「ここにいる、全員の総意です。」


総意なんて難しい言葉、本当に言われたの? と思われるかもしれませんが、本当に そう言 われたんです。総意だけに。

ワタシは目を瞑りました。眠かったわけではありません。ある女性のことを思い出して、思わず目を閉じてしまったのです。そしてそれは、ビジンダーさんではありませんでした。



不愉快な話読ませてしまって申し訳ないです。知らないほうがよかった真実かもしれません。

でも、このあと起こることも踏まえてビジンダーさんに真実を知っていただかないと、自分としても納得がいかないんです。いろいろ誤解されていた部分もあるようなので、そのことも説明したいんです。

『もう昔の話』なら『昔の話』として聞いてほしい。

・・・自分の気持ちを優先させてしまってスミマセン。


しかしその、誤解云々はまだまだ先のお話。次回からはデイケアの成り立ち、思い出したある女性の話など。回顧録となります。

しばらく不愉快な話は出てきませんので。ワタシが不愉快な思いした話はいっぱい出てくると思いますけど。是非読んでください。

「デイケアに行くのはお止めなさい」

この言葉と、その後の会話。ws主任に今、「これは本当か?」と尋ねたら「覚えてない」というか「そんなこと言ってない。グッチの作り話だ」と答えるでしょう。

でも・・・わかってもらえると思います。

ワタシが嘘話を作るなら、ws主任を悪者にすることは絶対にないんです。

恋愛感情などはありません。ただ、信頼はしてました。


1度、リハビリ部の飲み会のときに冗談で・・・冗談でですよ。言ったことあるんです。

「ワタシがRくん(ws主任のご子息)のお父さんになりたい~

「結婚して家族3人で一緒に、お風呂に入りましょう!!

・・・冗談でもそんなこと言う?(¬д¬)普通(¬д¬) と思われるかもしれませんが、普通です。当時、もうお酒の飲めない体になってましたので。素面(しらふ)で言いました。

それでws主任も当然いつもの冗談で返してくれる、と思ってたんですけど。

「〇〇〇くん、私はあなたより随分年上だし子供もいる。あなたはまだ若いんだから。あなたに相応しい人を探して。〇〇〇くんのいいところ、きっとわかってくれる女性いるから。」


・・・真面目な話のときはグッチじゃなく〇〇〇くんなんですね。

ってゆーか、そんなにマジで返されたらホントにフラれたみたいやんか!! 
Tバックさんもハゲもいるのに!! ふたりとも黙っとるやん!!

・・・でも正直、嬉しかったんです。そんなふうに言ってもらえたこと。だから、だからなんです。自分にそんなこと言ってくれた人を、嘘話で悪者にしたりしません!!



あと、ws主任の名誉のために。もうひとつ言わせてください。

これも当時、ビジンダーさんには話さなかったことです。ビジンダーさんから電話で説得される前だったか後だったかは忘れたんですが、訪問介護所長就任前に『デイの仕事も続けるべきか?』とws主任に相談したことがあるんです。

なんでそんなことリハの主任に相談せなあかんねん!? と思われるかもしれませんが、そのころはまだリハビリとの結び付きが強かった時代でしたので。ご了承を。

で、相談内容はざっとこんなもんです。

『たとえば誰かヨソの部署の人がデイを助けにいったら、その人はデイのスタッフから感謝されるでしょう。

しかしヨソの部署に移った自分が空いてる時間にデイの仕事をしても、それは今までやってきたことの継続くらいにしか思われないから。
誰も感謝しないと思う。

自分以外の人は「ありがとう」と言われ、自分はやって当たり前。それってちょっとおかしいと思いませんか? 正直、納得いかないんですけど。』



小っちゃっ!! 小さい男っ!!

とお笑いくだされ。でも拙者だって人からよく思われたかったでござるよ。やって当たり前の人じゃなく、頼りがいのある優しいお兄さんぐらいに思ってほしかったのでござる(T_T)


まーとにかくこんなアホみたいな相談されて、本来なら相手にされなくても仕方のないとこだったんですけど。ws主任は黙って聞いていました。
そしてワタシが話し終わったあと少し間を置いて、静かに口を開きました。


「〇〇〇くん・・・デイを助けておやりなさい。」


「え~、でも~、助けたところでなんの見返りもないし~。」

「見返り?」

「そうです。見返り~。お帰り~じゃなくて。」


「・・・〇〇〇くん。」

それまで書類かなんか書いていて下を向いていた主任が、ワタシのほうを見ました。慈愛に満ちた、やさしい瞳でした。


「〇〇〇くん。

無償の愛って言葉知ってる?」


「え? 無償のLOVEですか?」←ここまできてまだふざけるかコイツ



「無償の愛。


愛とは求めるものじゃなく


与えるものよ。」


「・・・。」



ワタシはそのときws主任の中に


聖母マリアを見ました。






不倫で辞めたけどね。



そう、ビジンダーさんの電話だけではなくws主任のこの御言葉(みことば)も、ワタシがデイで仕事を続ける要因だったのです。



しかしその御言葉を送ってくれたws主任が今、厳しい表情をして『デイに行くのを止めなさい』と。ワタシと対峙するかたちで向かい合っています。
その場にいた他の職員たちも皆、ws主任側についているようです。本当にワケのわからない状況でした。



追伸:M病院に勤めて幾年月。いろんなことがありました。ただ大概のことは、よくも悪くも自分の中で解決しています。いや、理解出来ているという表現が正しいでしょう。

そのとき『?』でも、その数年後に理由がわかった事例もあります。

しかしこの日のws主任は、本当に謎なのです。

実はこの翌日だったか・・・納得がいかず、リハ室に足を運んで主任を問い詰めました。主任は少し笑みを浮かべながら『(デイに)行かないほうがいいよ』としか言ってくれませんでした。

最近、ビジンダーさんをよく見掛けるんです。

天神のアクセサリー店で、ピアスを見ているビジンダーさん。

しゃぶ葉でワッフルを焼くビジンダーさん。

子供を自転車に乗せ、保育園から出てくるビジンダーさん。

「え、子供!?・・・あ、お孫さんか。」

みたいな。


禁断症状ではないと思います。みんなマスクをしているからでもない。マスクをしただけでビジンダーさんになれるんだったら、ざわちんはいりません。

多分、ワタシの中に眠っていた『無念』の気持ちが、そのことをビジンダーさんに伝えろ、っと急かしているのでしょう。もしかしたらそのためにえん魔くんまでもが現れたのかもしれない。

もう10年以上も前の話なので、そんなこと蒸し返されてもビジンダーさんも迷惑でしょうが・・・

ワタシ、全てを思い出してしまったんです。


どうしてこんなことになったのか、ワタシにはわかりません。


そのときすぐにそのことを話していたら、状況は変わっていたのかもしれません。しかし最悪の事態も考えられた。何をどうすれば正解だったのか? その答えは多分『ない』のだと思います。


『M病院物語』、本当は楽しい話にするつもりでした。面白い話を聞かせたかった。

男ばかりの飲み会というので付いていったら『おっぱいパブ』だった話や。

男ばかりの飲み会第二弾というので付いていったら中州の大型キャバレー『日本一の桃太郎』で(昨年閉店したそうです)。

金曜日で客が多く、ホステスさんの数が足りないってことで。自分にあてがわれたのが、さっきまでステージでジャズを歌っていた外国人歌手。まわりの客からも大注目された話とか。



ゴチャゴチャ言ってないで
はよ何があったか言え!!




ですよね? 話します。



西暦20☓☓年。春か夏かは覚えてません。

当時、ワタシはもう訪問介護事業所の所長になっており、その仕事の傍ら、平日はデイケア・土曜日の午前中はリハビリに手伝いに行ってました。

手伝いという表現はおかしいかもしれませんね。でも兼務というのもちょっと違うと思います。別に院長に言われてやっていたワケではないから。

・・・言うなれば『遊軍』のような立場を気取ってたんでしょう。

※遊軍:決まった部署につかず、必要に応じて活動できるよう待機している人。


その日は平日。確かデイにいたと思います。お昼ごろ、ワタシに内線がかかってきました。『リハ室に来い』と。

そういうことは過去に何度もありました。大体は「患者からお菓子を戴いたから一緒に食べよう」という誘いです。その日もその類いのことだろうと思い、なんの疑いもなくリハ室に足を運びました。

M病院の外来は何度か、お昼の時間帯を休診にしていたことがあります。

院長の気まぐれ休診だったワケですが、そのころもそれをやってる時期だったのでしょう。リハ室のドアは閉まっていました。ワタシはノックも躊躇せず、そのドアを開きました。


リハ室内は・・・異様な雰囲気でした。


いや、異様な光景といったほうが正しい表現でしょう。リハ室なのだから、PT(ws主任・Tバック・ハゲ)がいるのは当然ですが、それに加えてフリンマン(この人は多分違うことで来てたんでしょうが)、普段あまりリハ室に顔を出さないS原さん。確かケアマネの小藪と看護婦も数名いたと思います。

その人たちが全員、ワタシが来るのを待っていました。

普段なら笑顔で「まー座って座って」とカウンターを通してくれるws主任でしたが、その日は違いました。いつになく真剣な表情でした。

「そこに立って。ドアを閉めて。」

言われるがままドアを閉め、黙って立っていました。そのワタシを、ワタシの目をws主任はジーっと見据えてます。

「え? こんなところで告白!? みんなのいる前で?!」

なんて冗談言える雰囲気ではありません。他のみんなも黙っています。

たじろぐワタシ。少しの沈黙のあと、ようやくws主任が口を開きました。

「〇〇〇くん」

『くん』か『さん』かは忘れました。ただ普段は「グッチ~♪」とからかい口調で話しかけてくる人です。正直驚きました。

しかしそのあとにws主任が発した言葉は・・・更に驚愕の一言でした。




「〇〇〇くん、あなたもう・・・

デイケアに行くのはお止めなさい。」

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