しねしね談

無職のおっさんがなけなしの金を叩いてDVDを借り、夏休みでもないのに感想文を書いてしまいます。ジャンルは主に洋画と海外ドラマ、どちらも古いのが好きです。

2023/01

M病院デイケアは開設当初、土曜日の営業はしてませんでした。

いや、当初というよりビジンダーさん。あなたが就職したあとも、しばらくの間は土曜日、やってませんでしたよね。

施設が営業してない以上、そこで働く職員も休みとなります。

当然のことながらデイの創立メンバーであるワタシも、デイ開設以前から土曜日の休みは確約されていました。

それがどうして土曜日も出て来て、リハ助手業務を行うことになったのか??

その件に関しては、またあとで書かせていただきます。


土曜日の営業が始まってすぐのころ。レクリエーションとして、確か花畑園芸場に利用者を連れて行ったことがありましたね。

その計画が持ち上がったとき。ワタシはws主任に頼みました。

自分もデイのレクリエーションに参加したい、その日の土曜日だけリハ助手業務を休ませてほしい、と。

ws主任の答えは「NO」でした。


当時はまだ訪問介護事業所は開設されておらず、ワタシの立場はまだ一介のデイケア職員に過ぎません。

とはいえ・・・デイケアの職員なのです。

リハビリの職員ではないのです。ws主任の部下ではないのです。

なのでゴリ押しをすれば、ワタシの要求は通っていたかもしれません。けれどもワタシはそれをしませんでした。なぜだと思いますか?


土曜日のリハビリ業務の大変さを知っていたからです。


土曜日は外来・リハビリ、共に13時までの勤務体制。時間にして4時間です。

その4時間の間に、入院患者全員のリハビリを終わらせなければなりません。

加えて土曜日は、外来患者の数も多いのです。

翌日が日曜日で休診ということもありますし。また仕事の都合上、土曜日にしか来院出来ない患者もいます。

とにかく多くの患者が、午前中4時間の間に集中して訪れるのです。現場はてんてこ舞いです。


リハビリ室には体重計があります。ワタシが就職して間もないころです。土曜日の就業前・就業後に体重を量り、比べてみたことがありました。

2キロ減ってました。これは本当です。元々太っていたからというのもあるでしょうが、4時間で2キロというのは相当なことです。

それだけハードな仕事だったのです。

そのことを身をもって知っているワタシは・・・ws主任に無理を言うことが出来ませんでした。そして花畑演芸公園に行くのを諦めました。

あとでそのときの写真見せてもらいました。みんな楽しそうでしたね。


しかしその土曜日のリハ助手業務。そういう大変な仕事だったからこそ、やりがいを感じていたというのも事実です。

自分で言うのもなんですが、お役に立ててたという自負もあります。


その土曜日の業務。ワタシが何故、やめるという決断をしたのか?

そして。

どうしてws主任はいとも簡単に、ワタシの申し出を受け入れたのか? 引き留めようともしなかったのか?

それには理由があります。そしてその理由についてはビジンダーさん、ワタシはM病院在籍中に、あなたに話しています。

ただ・・・遅すぎました。

ワタシがあなたにこのことを話したのは『大変な思い編』、この一連の出来事がほとんど終わってしまったあとだったのです。

もっと早く、あなたにこのことを話しておけば・・・その後の展開は、大きく変わっていたかもしれません。

本当に残念です。

あなた方の『愚行』。ワタシがそれを知ったのは、翌日の朝です。

当時のデイケアはまだ旧施設。院内にあります。

ワタシはいつものように、ねずみ男事務長と朝の送迎に出向き。
病院まで搬送してきた利用者を、介助しながらデイ施設の方へとお連れしていました。

そのときです。前を通りかかったリハ室の中から、何やら人をバカにしたような笑い声が聞こえてきたのです。

ハゲです。ハゲがリハ室のカウンター越しにワタシを見ながら・・・何やらws主任と話しをしながら、勝ち誇ったように笑っていたのです。

ws主任は苦笑いしながら「やめなさいよ」とか言ってます。


・・・実はワタシ、この時点でもまだわかってないんです。

いや、わかるワケないんですよ。

何度も同じこと言わせてもらいますが。ビジンダーさん、あなたからメールが返ってきたのは12時25分なんです。

なんか近くの焼肉屋か中華料理屋かで食事してるとか。そういう内容でしたね。

・・・ワタシからすれば「だから?」という感じです。それはそうでしょう? 

でもそれはいいです。心臓病の利用者が云々とか仕事のメール云々とか。それはもういいです。


要するにアレでしょう? メールに書いてあった、あなた方が食事しているというお店。あなた方はそこにいなかったんでしょう?

自分たちが食事している店とは違う店をワタシに教え、ワタシがその店に赴く。当然、あなた方はいない。それがあなた方、面白いと。

う~~~ん。

小学生のときに、友達がそれやられて。みんなが集まる場所と違う場所に行かされて。喧嘩になってましたね。

小学生のときに。


でもそれ、やっぱりわからないですよ。だってそうでしょう?

あなたからメールが返ってきたのが12時25分。そしてワタシは13時から昼の送迎業務がある。

12時25分からスタートで、お店まで行く時間。注文して料理が出て来るまでの時間。食事する時間。帰って来るまでの時間。

計算してみてください。ワタシ13時までに帰ってこれますかね??

いや、ギリギリ戻ってこれるかもしれません。しかし、しかしです。

そもそも、なんでワタシが・・・あなた方が食事をしているところに行かなければならないんですか? 

わざわざ足を運ばなければいけないんですか?


けれどもあなた方は、ワタシがその店に出向いたと勝手に思い込み。そしてそれで怒って早退したと思い込み。

そのことで笑っていると。ワタシのことバカにして笑ってる、と。

・・・わかるワケないでしょう、そこまで。


とはいえ、このあと程なくして。ワタシは事の全容を知ることになります。

誰から聞いたかは覚えていません。覚えてはいませんが・・・おそらくN本からではないか、と。

なぜならハゲ、そしてビジンダーさん。あなた方ふたりでないことだけは、確かだからです。


あなた方の『愚行』を知ったあと、ワタシはすぐにリハ室へと向かいます。

仕事の持ち場を離れたワケではありません。ワタシがデイケアで行っている業務は本来、デイケアのスタッフがやるべきことです。

ワタシは訪問介護事業所所長として、リハ室に出向きました。

そしてws主任を呼び出したワタシは、毅然とした態度で

「土曜日の午前中、リハビリ助手として従事すること。今後は控えさせていただきたい。」

そう告げます。

・・・ws主任は引き留めませんでした。

「わかった。でもカッカしちゃだめよ。」

残念そうな表情ながらも優しく、こう仰ってくれました。

母親が元気になって、帰って来る夢を見ました。

こんな話でも、聞いてほしいあなたはもういない・・・。


『M病院物語』、書き続ける自信がなくなってきました。

それはビジンダーさん、あなたが読んでくれなくなったことで、モチベーションが下がってしまったというのが最大の理由です。


しかし・・・それだけではありません。


『M病院物語』、その今までの話の中に何度も登場した『記憶障害』という言葉。あれは酔狂ではないのです。

医者に診てもらったワケではないので、ハッキリしたことはわかりません。

ただ、実際にその症状が「あった」のは事実ですし。自分なりにその原因の目星は付いております。


ワタシの記憶が完全に・・・いや、完全かどうかはわかりませんが。とにかく『M病院物語』を書き切るために必要な記憶が戻ったのは、2年前の7月です。

そのとき「急がねばならない」と思いました。その理由はいくつかあるのですが、そのうちのひとつが

「自分はいずれ、また(当時の)記憶がない状態に戻ってしまう」

ということなのです。


・・・実は昨年末くらいからもう、その症状は出てきております。

完全に「一定期間の過去の記憶がない自分」に戻ってしまえば、当然のことながら『M病院物語』を完結させること、不可能になります。


けれども現在執筆中の『大変な思い編』。

このときの記憶は「失われた過去」には該当しません。

「記憶を失くした自分」「記憶を取り戻した自分」。双方が共有している記憶なのです。どちらもこのときのこと、覚えているのです。

まずは『大変な思い編』書き上げることが今の自分の重要課題。今はそう思ってます。


こんな話ばかりしてるから、本編の方が先に進まないんでしょうね。次回から『大変な思い編』、再開します。

昨年の今ごろは・・・

僅かばかりであっても、あなたと関わりを持てていました。

そして、あなたに聞いてもらいたいこと。伝えられる位置にいました。

幸せの中にいたと思います。


・・・それでも葛藤があったんです。

あなたに『真実』を伝えたい。しかしそれを、どの範囲までに収めるべきか。

全てを赤裸々に書けば・・・それを読まされたあなたは嫌気がさし、途中で読むのを止めて去って行くかもしれない。

なによりあなたに、嫌な思いをさせたくない。

ならばいっそのこと・・・書かなければいいのではないか? ワタシ自身の胸に止めておけばよいのではないか?

・・・正直、迷いました。


だけどあなたは・・・ワタシが『真実』を語る前に。まさにその直前に。読むのを止め、どこかに消えてしまいましたね。


ワタシはよく『運命』という言葉を使いました。

様々な偶然が重なった、その結果が『運命』である、と。自分が『M病院物語』を書くことになるのも『運命』であった、と。

しかしそれも、やはりワタシだけの『運命』だったようです。あなたがそれを読む。それは『運命』には組み込まれてなかったようです。

いや、あなたが読まなくなること。あなたが去っていくこと。これこそが正しく『運命』だったのかもしれません。

なぜなら・・・あなたとの関わりが切れたことにより、ワタシはあなたに遠慮せず、ありのままの『真実』を書ける状況になったからです。

つまりワタシに用意されていたのは、何事も包み隠さない『真実』の『M病院物語』を最後まで執筆することだった、というワケです。

↑このページのトップヘ