その日のワタシは、昼の送迎も断っていた・・・ような気がします。

訪問介護の事務仕事をし、ひと段落ついたところで昼休みをとったのでしょう。

それが訪問介護事業所所長であるワタシの、本来あるべき姿ですから。

院内の誰からも、それをとやかく言われる筋合いはありません。


で、その昼休み。外に出たときです。

ワタシは病院の正面玄関付近で、ハゲとあなたに遭遇します。

あなた方は明らかに、ふたりで昼食をとったあとでした。


ビジンダーさん。ワタシはあなたのことが好きだったのです。


あなたが誰とどこに行こうが、それはあなたの勝手ですが。

それが誰であろうと、あなたが男性とふたりでいるのを目撃すれば・・・正直、いい気分ではありません。

だけどこのときワタシが抱いた感情、そういう『やきもち』とか『嫉妬』とか・・・そんなものとは違いました。

このときの感情。ハッキリ申し上げます。『嫌悪感』です。


昨日の今日じゃないですか。昨日の今日。

前日にワタシをバカにするようなこと仕掛けてきて。『愚行』を働いて。


勘違い野郎と思われても構いません。ワタシはてっきりその日の昼、あなたから食事に誘っていただけるのではないかと思っていました。

そしてその場で「昨日は悪かった」と。

それぐらいのことは、言っていただけるのではないかと。そう思っていました。


いや、食事を共にしなくてもいいのです。

時間をみて、あなたのほうからワタシに話すタイミング作って。

「冗談なんだから、そんなに怒らないでよ」

とか。そんな軽いノリでもよかったのです。

それぐらいのことはあって然るべきだと。


それがなんですか、そういうこと何もなくて。

全然関係ないws主任が「カッカしちゃダメよ」とか言ってくれてるのに。

当時者であるあなた方が仲睦まじく、ふたり一緒に歩いているなんて。

ワタシが嫌な気分になるの、当たり前でしょう?


でもそんな『嫌悪感』も、ほんのひと刹那でした。その直後にワタシの感情、もっと大きなものに変わります。